カズオ・イシグロとの出会いと私

タイトルは雰囲気です。
「わたしを離さないで」がドラマ化されるとのことで、とても楽しみです。キャスティングを見て、「ほう…」となりました。そもそも、イギリスが舞台だったものを日本に置き換えるので、「ほう…」となるのは当然かもしれません。まあ、ぶっちゃけるとイメージとちょっと違ったよね。
で、なんでこのエントリを書いているかというと、「わたしを離さないで」について熱く語ったところ、母親にブログに書けと言われたからです。素直に書いております。
このブログにもあるように、私が日本語版を読んだのは2011年6月のようです(参照:http://d.hatena.ne.jp/Loxonin/20110602/1306950369)。そしてその数年後に英語版を読みました。
日本語版を読んだときの感想は、綾瀬はるかさんや三浦春馬さんと似たようなものでした。(お二人の感想を読んで、最初に感じた違和感よりも楽しみが上回りました。)*1
「静かな語り口調だからこそ、衝撃が大きい」「生きることについて考えさせられる」。キャシーと似たような年齢なのに、達観しているような雰囲気は、育ってきた環境や生まれてきた境遇のためなんだろうと思いました。
ただね。原著で読んで、その印象は少し変わったのです。英語版のキャシーは、もう少し、明るいというか若いイメージでした。英語版でももちろん落ち着いてはいるんだけど、日本版のような「達観」「諦観」はあまり感じられなくて。だから、英語版を読んでほっとしました。キャシーも、一人の若い女の子だったんだ、って。
一人の若い女の子だからこそ、辛くもあります。でもそれがこの本のテーマです。そうではなくて…なんというか、キャシーにも青春があったんだな、と思って嬉しくなったのです。
もし、日本語版がお好きだったら、ぜひとも英語版を読んでみていただきたいです。また違ったキャシーたちに会えるので。
それにしても、ほんとにこの小説は特別だ。「Never Let Me Go」。タイトルが全てなんだよなあ。
最後にタイトルについてちょっと触れておくと、カズオ・イシグロとの出会いは、父親との会話で云々です(参照:http://d.hatena.ne.jp/Loxonin/20110622/1308746712)。と思いきや、入試問題で「わたしたちが孤児だったころ」に触れていたのですね!あれは模試だったのだろうか、それとも家庭教師で教えたときだろうか…ぐぐっても全然引っかからない。「この文章知ってる!でも、私が読んだのは英語版だ!」と思ったときは運命感じたんだけどなあ。書いておくべきだった。

*1:水川さんの感想はちょっとずれてる気がした!ほんとは読んでないでしょー!笑