切ないことこの上なし

負け犬、というのは、閉店後に残ってるケーキみたいなものではないかと考える。誰かに買われていくか、そうでないかは紙一重というわけだ。どれもケーキであることには変わりない。スポンジがパサパサだったり、クリームが甘すぎたり、中にはほろ苦いものもあろうが…違いは多少あってもそれはそれでそのケーキの持ち味であるわけだ。
ただ、誰もが甘くておいしいのに、中には「こんな人に買われたくないわ!」「タイムサービスで100円引き?!とんでもない、私にはもっと価値がある!」と言って頑に売り子さんの手の届かない奥へ奥へと隠れてしまうものが。もちろん、それはそれで一つの生き方ではあるが…せっかくケーキとして生まれてきたわけなんだから、誰かに「おいしい」と思ってもらった方がいいような気がする。それは自立とか、そういうことじゃなくて。ケーキでしか味わえない感動というのはあると思うんだな。視覚的にも味覚的にも、せっかく楽しませられる能力を持っているのに。
もちろん、買われたあとはどうなるんだ、食べられて終わるのか、など、このたとえ話には無理があって、そこは素直に認めますよ。ただ、男性は飽きやすい、といえば大方話はつくような気はするけど。
帰りに通りがかったケーキ屋さんの残ってるケーキが切なすぎたのです。