沖縄、シークレットライブ

集合はホテル。ライブの整理番号が振り分けられて、私は後ろから2番目。いやいやいや、来れただけでありがたいので、何の不満もございません、です。
3台のバスに乗り込んで、途中で降ろされて、そこから歩いて昨日の桜坂セントラル。玄さんの昼間のツイートでまさか、とは思ってたんだけど、本当に昨日と同じ会場だとは!
昨日はスタンディング、この日は椅子。後ろから二番目だから、開いてる席を探すのが大変。実は前の方のスピーカー前が残っていたのです!やった!
というわけで、いそいそと座る。ICレコーダーを確認したりしていて、気付く。譜面台がある。ということは!昨日やってない曲もやるってことだよね!と一気にドキドキ。期待しない、と何度かこの日記でも書いたけど、それは多分、曲目が全く一緒でもがっかりしないようにしよう、ということだったんだと思う。今となっては。でも、せっかくだから、けっかくKMC限定と銘打ってるんだから、違う曲を聴きたいに決まってる。
昨日と同じように、シャンデリアの光が弱まる。死ぬほど緊張してた。もしかしたら、初日の横浜よりも。
メンバーが出てきて、椅子に座る。始まるんだ。
 
アコースティックな音。「夏の光」。夏の光だってわかるんだけど、ちょっとまぶしがりやみたいな感じもあった(ちょっと期待してる私もいたw)。去年のインストアでの二人の弾き語りを思い出す。あれもすてきだったけど、それにバンドメンバーのエッセンスが加わって、もっともっとすてきなことになってる。
どきどきした。昨日までに聴いた曲と全く違うみたい。そよ風の中での夏の光、みたいな。
伊藤さんはアコーディオン。これがまたいいんだ。伊藤さんすてき!!
終わり際のキリンジのハモリが、また違った味わい深さ。インストアのときにも思ったけど、この二人がハモってると問答無用で感動する。なんでだろう。
 
続いては?(次の曲に行く間も、ほんとに心臓ばくばくだった!)
イントロではっとする。ああ、昨日の玄さんは布石だったんだ!
「台風一過」。ペダルスティールのきゅいんきゅいんが沖縄風。どれくらい打ち合わせたのかな、そんなに時間はなかっただろうに、なんてすごいんだ!
沖縄ほど「台風一過」する土地もないんだから、沖縄ver.があってしかるべきだよね、と思ったりする。
 
MC、だったかな。「次は立ちます!」みたいな。
高樹さんが、「昨日やった曲もやります、すみません」と付け加えるけど、もう、最初の二曲だけで十分な気持ちがしてた。むしろ、ちょっと知ってるアレンジを聴いてほっとしたい、どきどきを収めたい気さえしてたよ(笑)
 
「ホライゾン!ホライゾン!」。ああ、この曲ともしばらくお別れなんだな、寂しい。(そしていつから泰行さんは最初のギターを控えめにしたんだろう…去年の京都では既に控えめだったような気がするけど、覚えてないや…わざわざ書いてるのは、そうです、私あれ好きだったんです。)
このライブは写真撮影もOKだったんだけど、「急かすように〜」の「に〜」のところで、玄さんがピース!なんてキュートなんだ、といそいそとカメラ起動させたけど間に合わず。残念。
 
「星座を睫毛に引っかけて」。「温泉街」「Rain」「セレーネ」飛ばした、と分かった瞬間に、この曲はやってくれた幸せがこみ上げた。だって好きなんだ、この曲。
アウトロ前の拍手は起こるはずなくて、本当に安心のクオリティ(笑)KMCメンバー大好き!
 
「Round and Round」。この日も間奏のディビはマイクに入ってた気がする、喜んでた気がする(笑)あとで聞き返したときに入ってるといいなあ!
 
「嫉妬」。Aメロ、泰行さんだけだった気がする…違ったかな。これも聞き返してみればいいんだけど…
あと、このツアーずっと開催してきた「待っているの"か"」チェック、結局最後までチェックしてしまったわけですけれども(笑)最後完璧すぎて鳥肌立ちました。今ツアー最高の「か」をいただきました、ありがとうございます!泰行さんもちょっとドヤ顔してたような気がする(笑)
 
都市鉱山」。高樹さんへのひゅーどころか、イントロでひゅーひゅーもほとんどなし。昨日に引き続き高樹さん可哀想だった(笑)(と思ったら、ライブ後のパーティーでも話題にあがりましたw)
あと、ライブ限定のアウトロでの「イエイ!」ですが、これが短めだったんですねー。アウトロ自体もあっさりめだった。残念だけど、曲数多くするためだといいな、と前向きにとらえる。
 

 
ここから楽譜。みなさんもぞもぞするから、ちょっと収まってたドキドキが復活。
なのに!泰行さんが譜面台の高さ調節しようとしてマイクにぶつかったり、一人であたふたしてるから笑ってしまう!(笑)ドキドキしながら笑って、私は相当いっぱいいっぱい。
そんな中始まったイントロ。なんだろう、ってしばらく聴いて、思いついた曲名に耳を疑ったよ。いや、でもそれしか考えられないよ!これ「Fairground」だ!!!
もちろん思い出すのは2004年12月のミズモトアキラさん主催イベント「Fairground」。泰行さんは弾き語りで何曲が歌ったあと、ビール片手に会場中をうろうろしてた。そしてかかったのがこの曲。泰行さんはサビだけ歌おうとして、でも酔っぱらっててよくわかってなくて(笑)、ミズモトさんのキューで入るんだけど実はわざと4小節早めだったりして、間違えて歌いだした泰行さん、爆笑する会場。ああ、あのとき無理してスターパインズカフェ行ってよかったなあって心から思った。
Fairgroundの思い出はほかにもある。何かのコンピに収録されたあとに、地元のお店でかかってるのを聴いてびっくりした。まさかミズモトファン?あるいは泰行さん?キリンジ??と思って勇気を出してお店のお姉さんにBGMについて尋ねたっけ。
いつも思ってた、歌詞も好きなんだ。「and I love the thought of coming home to you」。あの楽しそうに歌ってた泰行さんと、目の前の泰行さん。私、キリンジファンでよかった。ここにいられてよかった。
玄さんのスティールパンがまたすごい(イントロちょっと間違っちゃったけどね!)。Fairgroundにやたら合う。すっごいよ。ほんとに。
(そして譜面台の件ですが、結局見にくかったようで、歌詞を手に持って歌ってらっしゃいましたw)
 

 
MC、高樹さん「Simply Redっていうか、ミズモトくんっていうか…AMだっけ?」。泰行「(準備しながら)AM!」。このやりとりがいかにも兄弟風できゅんとする。そして続く高樹さんの話。
「次もセルフカバーなんですけど。藤井隆さんの(客:ひゃっ)、わたしの青い空っていう(客:大歓声!)」
 

 
「わたしの青い空」!これもまたいろんな思い出がよみがえる、あのMステで堀込の字が間違ってたこととか…(そこかよ!)
伊藤さんがアコーディオン。さっきのFairgroundのハッピーな空間から、一気にもの悲しい空気に。
歌うのは泰行さん。
藤井隆への提供曲の中で一番好き。確か藤井隆バージョンはもっとロマ街とかユーミンカバーの曇り空(おっ、空つながり!)みたいな雰囲気だったような気がするんだけど、アコースティックな「わたしの青い空」。こうして改めて聴くと、歌詞がものすごく心にしみこむ。
リアルタイムで聴いたとき、「ばかだなあ」の歌詞を高樹さんに歌ってもらいたいと思ってた。泰行さんが歌ったのを聴けて、それはそれですごくうれしかった。
とてもかなしい曲だな、と思った。都会っ子の悲哀?「歓楽通りを駆け抜けて」のあたりとか、胸が締め付けられて苦しかった。
 

 
まだまだ、譜面台の上の楽譜を整理する泰行さん高樹さん。
「次は陽の当たる大通りという曲を」
ピチカートファイブのカバー。初めて聴いたのはキキキリンジで流れたとき、そのときはいいなって思ったけど、原曲のハッピーな感じの方が好きかなあ、と思ってた。
だけどね。
なんだろう。すごく悲しいんだ、これも。目の前で泰行さんが歌ってて。すごく悲しくなる。
「死ぬ前に、たった一度だけでいい」
きれいなきれいな声で、けなげな言葉。
前からずーっと思ってたんだけど。可哀想な泰行さん、という言葉より、"Poor Yasuyuki!"という英語の方がしっくりくる。poorというのは不思議な言葉で、可哀想な気持ちも、慈愛に満ちた気持ちも表現できるんだ。
その言葉が、この曲を歌ってる泰行さんにこそ、ぴったりだと思った。
私がハッピーな原曲の方がいいと思ったのは、泰行さんのpoorさと向き合うのがつらかったからなのかな、というのは、きっと今になっての言い訳だけど。
 
名古屋に帰ってきて、この曲が頭をよぎって、そのたびに胸が締め付けられて苦しかった。時限爆弾、という言葉を1月25日の日記に書いたけど、頭の中胸の中がいっぱいで、涙腺を刺激されて。この選曲は、本当に、最高だったと思う。聴けてよかった。
 

 
もうね、この3曲でまた相当ドキドキして、ドキドキし疲れて(笑)、でも高樹さんの口から飛び出したのは「鈴木亜美さんって、知ってますか」。
死ぬかと思った。知ってるよ、初めて買ったavexのCDは鈴木亜美の「それもきっと幸せ」だよ!!!
 
旅サラダでサンフランシスコ案内してた、音楽はやめてしまったんだろうか、残念だ。じゃあ曲紹介おねがいします、という高樹さんの無責任なフリに対して、泰行さん。
「まあね、ロサンゼルスを案内してても、それもきっと幸せってことで」
うまいこといったねー!(笑)
 
なんて笑っていられるのもつかの間だよ。
あのイントロ、伊藤さんが弾いてるんだ。私の好きな伊藤さんが、私の好きなあのイントロを。
 
「デモテープはずっときれいなファルセットで歌われていて」
この鈴木亜美のコメントが出たとき、きっとキリンジファンはみんな思ったはず。そのデモテープが聴きたい!
そのデモテープではなくて、聴けました。それもきっと幸せどころの騒ぎじゃないよこれ。
 
もちろん泰行さんはファルセットというわけではなく普通に歌ってたけど、感慨深かったなあ。自分がずっと願ってたことが実現された喜び。キリンジってば、ファン心理分かってるじゃないの!と胸がいっぱいになる。
 

 
セルフカバー特集は終わり。でも楽譜がまだ残ってる!(泰行さんがぐっちゃぐちゃの楽譜の中からやる曲を選んで譜面台において、終わったら床に移動させるのでとっても分かりやすいのです笑)よし、お楽しみはとっておくんだな、と思って次に備える。
 
ここからはツアーの曲。
もしものときは、ブルーバード、ムラ☆サン、カゲロウ、あの世で。(このあたりは毎回力つきて、日記にちゃんと感想書いた試しがないな笑。最後まで申し訳ないわ…)
あっさり「ありがとうございましたー!」と言って去っていく。
 

 
アンコール!出てきたと同時に楽譜をがさがさ。また一気にドキドキが加速する。何がくるんだろう!
 
五月病」!ああ、馬の弾き語り以来の五月病!うれしい!
イントロの「ぱーぱらぱっぱー」はないけど、キリンジで聴けたことがうれしくてうれしくて。
「今夜シチューを食べるんだろう ワオ!」のあとのMmmがあったような気がしてうれしい。昨日読み返した昔の日記にこの歌詞について熱弁してあったのを発見して、あのときの自分によかったね、と思ったり。
 
 
高樹「五月病も久しぶりにやったけど、次のも久しぶりかな?そうでもないかな?」泰行「うーん…(真剣に考え込む)久しぶりと久しぶりじゃないの中間かな」
というので期待したんですが…グッデイグッバイでした。
 
いや、いいのよ!グッデイグッバイも!好きだし!でも…まあ、わりとよくやってるからね…正直五月病ほどの感動はなかったです…ごめんね…でも高樹さんの「地下鉄ーはっ!」も楽しかったし、初めて見たライブから同じアレンジで、ほんと、大事な曲ですよ私にとっても。
…すごい言い訳がましいな(笑)
 
  
「次は人気のある曲を」って高樹さんが言ったけど、高樹さん泰行さんともにアコギだったから、エイリアンズだなあと(正直に書かせていただきます)がっかり。そしてエイリアンズのイントロ。
KMCに入ってる人たちの中でもエイリアンズって人気あるのかな?マーケティングをしっかりしてほしいと思っちゃったよ…
違うような気がするけど、それは私がそんなに好きじゃないからかな?
でも、「人気の!」とか「一番売れた!」っていうのは、本当にライトなファンが持ってるイメージのような気がするんだよね。KMCに入ってわざわざ沖縄まで来てる人の中でも同じイメージかというと、そうではないんじゃないかと思うんだよ。それは私の勘違いなんだろうか。
 

 
泰行「愛のCodaという曲を知っていますか」
なにその曲紹介!と笑っていられたのはちょっとだけ。
泰行「その曲でおしまいです」
残念…お客さんもしょんぼりしながら「えええええ」。でもたくさんやってくれたしなあ、と思いなおして、玄さんのあのイントロ。
愛のCoda、昨日に引き続き回るミラーボール!アウトロのタンバリンの代わりにギターを両手で叩く叩く!これはこれでよし!(笑)(始める前に青いやつ見えた気がしたし、確認してたようにも思えたんだけどな?めんどくさくなっちゃったのかな)
 

 
でも、あのお客さんのしょんぼりがよかったのかもしれない。
高樹「まだ時間ありますかー?じゃあもうちょっとやりましょうか」
なんだろう、このファンサービス!あの高樹さんがだよ?!耳を疑った!!(ひどい笑)
というわけで悪玉。悪玉はいつだって楽しいけど、この日はさらにハッピー度が高かった気がする。
 
今度こそおしまいかな、って思ったけど。着席で歌うのが新鮮ってことで泰行さんは座ってたんですが…
泰行「なんかやった!って感じがしないなー。座ってたから…もうちょっとやりますか!」高樹「残ってるのはDrifterとデイジーチェインしかないけど」泰行「両方やろう!」
なんて男気あふれる泰行さん…!感動したっ!
 
というわけでDrifter。たくさん歌ったのに、今までツアーだったのに、疲れを全く感じさせない歌だった。このツアー、たくさんのDrifterを聴かせてもらったけど、その中でも最高だったと思います。ありがとう!
 
よし、次はデイジーチェイン!!と思って張り切ってたら、「時間切れみたいです…すみません」。ああ、デイジーチェインも聴きたかった!けど、こんなにたっぷりやってくれると思わなくて、ほんとにうれしかったなあ。
 
桃色の手を振って、去っていくメンバー。さびしくなかったんだよね。あまりにうれしかったからかなあ。