泰行さんの歌

まだまだ沖縄の話だよ。しばらくは呪縛から逃れられないと思います。
陽のあたる大通り。
感想にも書いたけど、前はそんなに好きじゃなかったんだよね。だけど、ライブで見たら心をわしづかみにされた。揺さぶられた。
帰って来て、CDのを聴いてみて、ああそうかと思った。
CDのはとてもきれいに作られているけど、あれは、泰行さんの歌じゃないような気がする。泰行さんじゃない、っていうのは語弊があるかな、よそ行き。
発声の仕方がいつもと違うっていうか、口の開け方が小さそうというか(笑)、声の響かせ方が違うっていうか…「ピチカート・ファイブのカバーをしてる」っていう意気込みがあるのかもしれない。「お邪魔します」っていう気持ちが。
沖縄の泰行さん、陽のあたる大通り。あれは泰行さんの歌だったよ。だから、きっと、心に響いたんだ。
「死ぬ前にたった一度だけでいい 思いっきり笑ってみたい」
一度だけでいい、ということは、今までもこれからも笑ったことはないのかなって、すごく苦しくなる。笑ったことはないから笑ってみたいって、けなげに、一度だけでいいって。
「陽のあたる大通りを 口笛吹いて歩いていく」
泰行さんは、叶うことのない思いを秘めながら、口笛吹いて歩いてるのかなって。
前、泰行さんに幸せになってほしいなと思ってるっていう話を書いたけど、ほんとにそう思った。また。目の前で歌ってる泰行さんに、またそう思っちゃった。
泰行さんは、思いっきり笑ったことがあるんだと思うよ。でも、笑ってほしいって、これからもずっと笑っていてほしいって思うの。真面目に、本気でそんなこと思っちゃう説得力が、あの歌にあったんだよね。
そういうふうに思わされる歌を聴けて、ほんとによかったと思う。
また特別な歌が一つ増えました。