ぎくりとする

当直だったりしたので、もう2冊読みました。

ポトスライムの舟 (講談社文庫)

ポトスライムの舟 (講談社文庫)

津村さん、「ミュージックブレスユー!!」だけではなんとも、と思ったので。こっちが本来の「感じ」なんでしょうな。
表題作は楽しく、切なく読めたけど。(それでも、世界一周って!私が現実逃避で考えてたこととまるきり一緒で切なくなった…私の方がめぐまれているのに。)
もう一つの、「十二月の窓辺」。きっついわ…面白いし、楽しく読んだけど、きつい…仕事ってこんなに辛いものなのか。理不尽なのか。
実は、今働いてる病院の師長さんはこんな感じだ。困ったことに。でも、純粋な上司ではないからきっと救われてる。医者と看護師という関係は、少しだけ特殊だ。一方で、師長さんは看護師さんにはとても優しい。理不尽さは見せない。それもまたおかしな話ではあるけど。
それにしても、私はいつか「ミュージック〜」をもう一回ちゃんと読まなきゃいけない。私の中で青春小説は「僕は落ち着きがない」が王道なんだけど*1、この津村さんが書く青春小説はもう一回読まなければ。
木洩れ日に泳ぐ魚

木洩れ日に泳ぐ魚

恩田さんはミステリーやさんなんだよね。「夜のピクニック」のイメージがあるからついつい忘れる。
また兄弟ネタか(ネタバレは反転させました)、と思ったのはさておき。面白かったです。面白かったけども、面白いだけのお話。「考えさせられる」「感動する」というわけではないということに価値があるっていうか。それだって読書の醍醐味だと思う訳ですが。
恩田さんの、視点がコロコロ変わるのは「ドミノ」でも「夜のピクニック」でもそうだったけど。せっかくの心理描写に思ったほど入り込めなかったのはそのせいかなあ。ヒロの性格っていうのが、アキが終盤で「逃げ腰」的なことを言ってたけど、最初からそうだったっけー。思い返してみたらタバコ買いに出たりしてそういう気もするけど、なんだかよくわからない。と、思ったりするのは、ヒロ視点とアキ視点でころころ変わったからかなー、と思うのですよ。
あと、こういう細かいところに突っ込むのはヤボだとは思うんだけど、ヒロのお母さんは千秋が美雪だってこと、分かってたんじゃないのかね?どうなんだろう。どうなんだろうね?
今はこれを読んでおります。まだ序盤だけど面白い。
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

そういえば「赤と黒」が途中であった。うーん。なんかさ、買ったのがあまりにも前すぎて、今出てるのが新訳っぽいんだよなー。下巻買ってないのに…今日本屋でちらっと覗いたら、ジュリヤンって書いてあった…ジュリヤンか…

*1:今あまぞんでちらっと見たら「僕は落ち着きがない」の評価ちょう分かれてて笑ったw そんなに読みにくかったっけ、あれ!特に事件もなにも起こらない日常を最後まで楽しく読ませるのって、それこそ文学だと思うけどなあ。一方で「ミュージック〜」は高評価でびっくり。えー!分母が少ないからか。なんだろう、このもやもやした感じ…