リベンジ

スワローズの今シーズンが終わってやりたいことに挙げていたのは料理と音楽と読書。一番おろそかだった読書を駆け込みでリベンジ。リハビリだのリベンジだの、ひどい命名ですね(笑)普通に読書でいいのに。

掏摸(スリ)

掏摸(スリ)

王国

王国

何かの雑誌の新刊ページで見かけた小説。内容は怖そうだったけど、ものすごく印象に残ったから。
そもそも今日は来年1月3日に名古屋に来るつば九郎にサインをもらおうと、その際のポスカを買いに本屋さんに行ったのに(笑)ふらっと単行本コーナーに行ったらこの2冊と、同じように気になってたあともう一冊がほんとに近くにあったから、3冊衝動買いしてきた。そしてこの二冊を一気に読んだ。久しぶりに読書した!って感じ。
やー。ほんとに。こういうタイプのお話は全然好みじゃないのに読んでしまったよ。久しぶりに読書した、と胸を張って言えるよ。
圧倒される。打ちのめされる。染め変えられる。なんだろうなー、そういう言葉しか使えない。こういうのを読書っていうんだよね。
あまりにもすごすぎて、感想とか、ないな(笑)
でもそれだとあまりにもアレなので、ちょっと書いてみる。
木崎が主人公だよね。ってそれもアレか(笑)
カラマーゾフの兄弟を読んでから、読書というのは、その行為に何か目的があるものではない、と思うようになった。「泣ける」とか、「救われる」とか、「感動する」とか、そのために小説は存在してるわけではないんだ。
…語弊があるな。読書じゃなくて文学とするかね。そんな大きい言葉、よう使いませんが。
この2冊を読んで、読書、あるいは文学って、人生と似てるよね。とちょっと思った。理不尽だし、わかりやすくない。ってことは、木崎とも似てるのか。
あとがきで「悪は僕の本質だ」って作者は書いてたけど、そうじゃない人なんているのかな。少なくとも私は同調しちゃうけどな。
っておいしゃさんがそんなこと書いてていいのかと思うけども(笑)
あー。おもしろかったな。こわくてせつなかった。せつないという単語はあんまりぴったり来ないように感じられるかもしれないけど、せつなさというのはものすごく幅の広い感情なんだなって、今書いてて、それは私にとって新しい発見だった、と思う。