好みの問題

豊島由美さんを信頼しているのです。なんてったって、「本格小説」を紹介してたのは豊島さんだったから。
キリンジのためにテレビブロスを買っていた頃、豊島さんの書評はちらちら見ていた。「本格小説」を紹介していたORBIS?の雑誌に豊島さんの名前は本当に小さくしか出ていなくて、気付いたときにはびっくりしたものだった。「えっ、これあのブロスの毒舌書評書いてる人じゃん!!」って。
で、その中で金の斧として紹介されてた畠中恵さんの「しゃばけ」。なのに読んだのはこちら。(導入長かった!)

アイスクリン強し (講談社文庫)

アイスクリン強し (講談社文庫)

感想を続きに書くあたり、察して下さるとありがたいです。
結論。面白かったけど、苦手。完全に好みの問題。
私、林檎さんの音楽は大好きだけど、漢字だらけの歌詞は苦手。違和感を感じる。私はそういう日本語を習っていないし、林檎さんだって習ってないはず。古い(というか、古い雰囲気の)日本語を使うにあたって、ちゃんとしたバックボーンがあればいいのかもしれないけど、うーん。あんまりそう思えないんだな。
畠中さんにも同じように感じた、というのは失礼かもしれないけど。その時代のことを知らない人が書くときって、本当に本当にほんとーーーーうに慎重に、めちゃくちゃ勉強しなきゃいけないんだと思うんだよね。あたかもその時代に生きてたかのように自然な文章であってほしい。あるいはいっそ、ファンタジーな世界か。
楽しいだけの小説を否定するわけじゃないよ。だけど、私はある程度感情移入できるものじゃないと心底は楽しめないんだな。
だから、現代が舞台の小説が好きなんだろうなー。歴史小説を読んで楽しめるほど、歴史に通じてない自信があるからこそ、なのかもしれないけど。