その1

有川浩レインツリーの国

とても読みやすかった。有川さんは図書館戦争シリーズしか読んだことはないけど、そのときの感じを思い出した。読みやすくて、どんどん先を読みたくなる感じ。結果的に、本屋さんで全部立ち読みした。
普通のラブストーリーになろうとするお話、なんだと思う。と書くと語弊がありそうだからもうちょっと書く。
恋愛って、突き詰めると、誰だって「好き」だけなんだと思う。全てを動かすのは、形のない「好き」という感情。環境だったり、性格だったりのせいで動けない人もいるけど、動けないということ自体、その根底には「好き」という感情があるんだ。
この二人も、根底にある「好き」という気持ちがあるからもがいた。あきらめきれないのは、好きだから。全ての恋愛小説の登場人物の行動を説明できる死ぬほど普遍的な理由で、二人は喜びを感じたり、苦しんだり、悩みながら結ばれる。それは「普通のラブストーリー」だ。
ネットで知り合った二人、聴覚障害者というテーマ。いろんな味付けをされている中で「普通のラブストーリー」になっているということが、このお話の一番の魅力なんだと思う。