こうして大人になっていく。

なくすまで、その大切さに気付けなかったんだ。
パッキン。

これじゃないけど、無印のだけど、だいたいこういう感じのだったんです。
ふたについてるじゃないですか、パッキン。お茶を作ろうと思ったらどこにもないんですよ。洗おうと思って外したところまでは記憶があるのに、洗った記憶はない。
え、ちょっと待って、と思って、可燃ゴミの中から生ゴミが入った袋をビニール越しに探る。え、ちょっと待って、この、このぷりっとした感触。
パッキンだ。
涙、涙の感動の再会とはなりませんでした。だって再会するには、まず脱出劇を演出しなきゃいけない。脱出劇?イエス、in to the 生ゴミ
ああ、変わり果てた姿…洗い流すだけじゃ不安は洗い流せなくて、キッチンハイターの出番。殺菌に要する5分間をタイマーで計りながら漂うその塩素の香りが夏のプールを彷彿とさせて…なんていいものじゃない!
あ、タイマーが鳴った。今度こそ感動の再会かしら。